Q. 単独応募かJVかどちらかいいですか

 JVを組むべきかどうかという相談を受けることがよくあります。「単独で応募する」のと、「JVを組む」のはそれぞれにメリット・デメリットがあります。

 単独で応募するメリットとしては、意思決定がスムーズで団体間の軋轢も生じません。それほど大きくない施設であれば、単独で応募するのがベストです。

 JVを組むメリットとしては、専門分野を分担できるので、提案に置いて具体的で特徴を生かした提案がしやすいというメリットがあります。専門分野での業務実績が評価されるので審査員の印象もよくなります。実際に管理運営を行う際にも高度な専門性を生かした特徴ある管理運営ができます。(例えばホールやイベント広場のある公園などでは、イベント会社とのJVで専門的な演出が可能になったり、自主事業の幅が広がるなどのメリットがあります。)
また責任分野を明確にしておけばリスクも軽減できます。

 しかし一方で「コミュニケーションに手間がかかる」、「収益の配分でもめることがある」などの欠点もあります。また維持管理業務とサービス提供業務のようにはっきり分担が分かれていればいいのですが、複合施設でエリアによって責任分担が分かれているような場合は、指揮命令系統が複雑(館長→JV企業の責任者→当該エリアの責任者)になり、エリアによってサービスレベルにムラが出ることがあります。

 このようなデメリットが生じないようにするためには、JVを組む前に、責任分担や収益の配分等について、十分に協議しておく必要があります。(とはいっても、説明会の状況を見て、勝つために急にJVを組まざるを得ないようなケースもあります。そのような場合でも、実際の管理運営が始まるまでにじっくり協議する必要があります。)また実際の運営においても月に一度運営協議会を開催するなど、密接にコミュニケーションを図る必要があります。

2018年08月17日