Q.指定管理者はもうかりますか

A.結論から申し上げますと、指定管理事業は「儲かる」ともいえますし、「儲からない」ともいえます。


「儲からない」というのは、「売り上げ(たいていの場合指定管理料)に対する利益率が低い」ということです。大きな利益を出していれば自治体から還元を要請されることもあります。そもそも指定管理料は提案事項で高い金額は提示できないうえ、サービスとの兼ね合いもあるため経費もそれほど削れません。利益は必然的に小さくなります。そこで本業に関連する業務で指定を獲得し、自社に仕事を回すことで本業の売上を上げるなど工夫をしますが、自らの受注も施設にとっては経費となるのでそれほど高い金額で受注できません。

「儲かる」というのは、資本の投資効率が良いという意味です。利益自体は小さいですが、わずかな運転資金が必要なだけで、投資はほとんど必要がありません。
たとえば指定管理料が4,000万で、4半期ごとに支払われるとすれば、1,000万円の運転資金で施設を管理運営できます。利益が年間で100万円しか出なくても、総資本利益率は10%となり、かなり投資効率が良いと言えます。しかも取りはぐれは絶対ありません。

利用料金制が取られている施設の場合、指定管理料に加えて利用料収入を得ることができます。工夫をすれば利用料収入を大きく増やすことができます。さらに。施設の設置目的の達成にもプラスになり、利用者にも喜ばれるような自主事業を考えれば、自主事業で収入を増やすこともできます。

このように資本利益率から考えれば、非常に収益の上がる事業分野ですが、定期的に指定の更新があり、突然事業を失ってしまう恐れがあります。多くの施設で継続指定を獲得できるよう、高品質で安定したサービスを提供できるようなノウハウや仕組みを構築するとともに、一つ指定を落としても事業全体に影響を及ぼさないようある程度の数の施設を管理運営できるようになれば安定した収益を得られるようになるでしょう。

2018年08月16日