Q.どんな指定管理施設に応募すればいいですか

A.どんな施設を選ぶかについてはいくつかの視点が考えられます。第一は収益性の視点で、収益の上がる施設である必要があります。第二は選定可能性の視点で、自社の能力に合った施設、公募要項が自社にとって有利な施設である必要があります。
これらの視点を踏まえ、施設の規模や施設の種類、築年数、地域等の要素を考慮して選ぶ必要があります。

ア 施設の規模

 規模については自社の事業規模に合った施設を選ぶ必要があります。指定管理ではリスク分担も決められているので、公募要項に示されたリスクが負担できる規模の施設を選ぶ必要があります。大きな施設は、地元だけでなく全国規模の企業が応募してくることもあり厳しい競争となります。小さな企業が大きな施設に応募する時は、全国規模の企業とJVを組むなど自治体が安心して施設を任せられるような体制を作ってから応募する必要があります。また実績がない企業は、自社の能力よりも少し小さめの施設に応募し、実績を作ってから自社の規模に合った施設に応募するという方法もあります。

イ 施設の種類

 施設の種類は「自社の強みが生かせる施設」、「自社の業務とシナジーのある施設」を選ぶのがよいと思います。公園の指定管理者には造園業が多く応募しています。保育所は保育所を運営する社会福祉法人が有利ですが、児童館も保育所や幼稚園等を運営する団体が有利です。介護施設や老人福祉施設も同様です。スポーツ施設はジムやフィットネス、スイミングスクールを運営する会社が指定管理者となっているケースがよく見られます。大規模なホールやスポーツ施設は、様々な専門知識が要求されるので、イベント会社やビルメンテナンス会社、スポーツ関連会社などを含む複数企業がJVを組むケースが多くみられます。
ビルメンテナンス会社や警備会社は、どのような施設でも維持管理や警備で自社のノウハウを生かせるため、幅広い施設に応募しています。

ウ 施設の築年数

 施設の築年数は、古くなればなるほど修繕費がかかります。ほとんどの場合、一定金額以下の修繕は指定管理者が負担することが決められています。修繕費の予算が別途計上されている場合は別として、新しい施設の方が修繕費の金銭的なリスクは小さくなります。

エ 地域

 地域的には「地元産業の振興」や「緊急時の迅速な対応」、「地域との連携」などの点が考慮されるので、地元の企業が最も有利です。

 

2019年05月10日